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今回は院長お薦めの漢方薬のご紹介です。
とは言え、まだまだ漢方に馴染みのない方もいらっしゃると思いますので、ややこしい薬名を出す前にまずは今時の漢方薬事情を説明しておきましょう。
漢方薬と言えばあの飲みにくい煎じ薬をイメージする時代は過去のものになりました。今時の漢方薬はエキス製剤と言われ、生薬を工場で煎じ、濃縮して水分を除いて顆粒・粉末にしたものが主流です。 この製法の違いはよくドリップコーヒーとインスタントコーヒーの関係に例えられます。従来製法への「こだわり派」がいることも良く似ていますが、味や香りを楽しむわけではないし、飲みにくさが解消されるなら多少の効果の減少をも補ってあまりあると言えるでしょう。
さらに粉末を固めて錠剤にしたものもあります。ただ、錠剤はどうしても飲む数が多くなるので食前にお腹がいっぱいになってしまう欠点はあります。
なお、この生薬エキス製剤は日本独自の発明品です。良いものを取り入れて進化させる日本のお家芸は、こんなところにもあったのですね。
「漢方薬は副作用が無いので安心です」などど言う方がたまにいらっしゃるのですがこれは間違いです。確かに漢方薬は化学合成ではなく自然界から抽出した成分でできていはますが、なんらかの効果があるということは、身体に対して「作用」するいうことです。ちゃんと用法・用量を守って服用することが大切です。
化学薬品が分子をターゲットにピンポイントで作用する「尖った効果」だとしたら、漢方薬はブレンド生薬による食のような「丸い効果」と言えるかもしれません。
このじわじわ穏やかに効くというイメージが、今度は即効性が期待できないという勘違いをまねいています。しかし膨大な種類の漢方薬には、飲んですぐ効くタイプの薬もちゃんとあるのです。
漢方薬は用いるタイミングも重視し、一つの病気でも経過によってどんどん処方を変えていくのも大きな特徴です。
エキス製剤は今では普通のお薬と同じように処方されており、健康保険が適用される医療用漢方製剤は148処方(2016年時点)もあります。
気になるお値段ですが、医療用漢方製剤の価格は2週間分でだいたい2,000円〜3,000円ほど(保険適用ならこれの1〜3割)で、普通の薬に比べても高くはありません。店頭販売のものを見ても、かぜ薬なら総合感冒薬も葛根湯もだいたい1,000〜2,000円で横並びです。様々な生薬が配合された漢方薬は1種類で多様な効果が期待できるので、服用する薬の種類を減らせるかもしれません。当然お財布にも嬉しいですよね。
西洋薬、漢方薬を問わず、自分にあった薬を見つけて上手にセルフメディケーションを行うのが賢い方法と言えるでしょう。
漢方薬にも店頭販売している一般用と処方箋が必要な医療用が存在しますが、この二つに違いはあるのでしょうか?パッケージなど明らかに見た目も違いますし、製薬会社内でも担当部署や営業ルートも分かれています。
実は同じ会社の同じ名前の漢方薬でも両者の構成成分は若干異なります。店売りの一般用は医療用よりも生薬は少なめで、ビタミン類などが添加されていることもあります。その分、効果は(副作用も)控えめになりますが、お試し体験をするには十分でしょう。
何はともあれ体験していただくのが一番なので、以下に即効性が期待できて治療効果もわかりやすく、医師の処方が無くても薬局(ドラッグストア)で購入できる、おすすめの漢方薬をご紹介いたします。
これらは症状が出た時(出そうな時)に飲む、いわゆる頓服(とんぷく)として服用できる漢方薬です。ずっと飲み続けるのは良くありません。
また、その他のお薬を処方されている場合は、予め主治医や薬剤師に相談しましょう。
一剤で様々な症状の改善が期待できる漢方薬は常備薬にうってつけです。薬箱のいつもの薬がなくなったら漢方薬におきかえてみませんか?
漢方のかぜ薬として古くから知られる葛根湯ですが、肩こりや頭痛、乳腺炎など炎症がおこって熱が出るような病気にも用いられます。症状が出たら初期のうちに早めに服用するのがポイントです。
さらさらの鼻水が出るアレルギー性鼻炎や花粉症にはこれ。抗アレルギー薬にありがちな眠気が出ないのが利点で車の運転も大丈夫です。
咳を伴う上気道炎や気管支炎、気管支ぜんそく(予防と初期治療)などにも用いられます。
水分代謝がうまくいかず、喉が渇いて尿量が減りむくんでしまった状態にはこの五苓散です。漢方では片頭痛やめまい、下痢なども水分代謝の改善でアプローチするので広い用途があります。
月経前症候群(PMS)や二日酔いの吐き気やむかつきにも役立ちます。
良い気分を保つためにはストレスコントロールが欠かせません。アロマやハーブを取り入れるのも良いですが、さらに漢方を加えてみてはいかがでしょうか?
なんとなく気分がふさいで、のどに物がつかえたような感じがする(ヒステリー球)、そういう時には半夏厚朴湯がおすすめです。 精神的に落ち込んでいると胃腸にも不調が出てくるものですが、不安感と緊張を和らげることで身体の不調にも働きかけます。
イライラしてすぐに怒りのスイッチが入ってしまう。そうなるともう自分でもコントロール不能に…。思い当たることありませんか?(回りも困っているかもしれません。)
子供の疳の虫にも使われる抑肝散は、自律神経を整え心の高ぶりを鎮めてくれます。まぶたのピクピクや不眠症、夜間の頻尿にも効果が期待できます。
抑肝散の効果に加え、怒りのあとのリバウンド落ち込みを軽減したり、胃腸の働きを整える抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ:83番)という処方もあります。
ツムラでは処方箋の必要な医療用しかありませんが、クラシエではこちらが一般販売されており、抑肝散だけは扱っていないようです。
漢方薬は名前を覚えるのも一苦労。ましてや書けと言われても当用漢字にも無いような字ばかりで困ってしまいますよね(院長はスラスラ書いちゃいますが)。
そこで重宝するのがこの番号です。漢方の製薬会社と言えば、ツムラ、クラシエ、コタローなどが有名ですが、有名どころであれば番号はほぼ同じです。シェアの多いツムラに他社がそろえていき現在の番号に落ち着きました。
それではそもそも誰が決めたかというと、ツムラの研究者の方が実験ノートに便宜上ふったものであったとか! (公式では特に意味はないが、概ね承認申請順とのこと) 4番と42番が無いのは「縁起が悪いから」だそうです。
自分にあった漢方薬が見つかったら、まずは番号で覚えるのもいいですね。薬局で「16番のハンゲなんとかお願いしま〜す」といっても通じるはずです。