ピル(経口避妊薬)とは
ピルは正しく服用すれば、ほぼ100%避妊することができます。避妊以外にも、ホルモンバランスが整うことにより子宮内膜症・月経困難症・PMS(月経前症候群)の改善、ニキビ・多毛の改善、卵巣がんや子宮体がんの予防など、実にたくさんのメリットがあります。
日本での普及率が低いのは決して危険だからではなく、承認が遅かった(1999年)ことに加えて社会的認識が低いことが原因なのです。当院では、女性のQOL(生活の質)向上のためのピル服用を積極的におすすめしています。初めての方にはカウンセリングの後、最適なピルを処方いたします。
服用するにあたってのご注意
当院では、医師の指導のもと安全に使用することをお約束いただいています。既往症などにより処方できない場合もありますので予めご了承ください。
- ピルには血栓症のリスクを高める可能性があります
- 定期的な健康診断を受けていただきます
- 原則、禁煙をお願いしています
低用量ピルによる避妊
ピルが効く仕組み
避妊に使用する「低用量ピル」には人工的に合成された2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)が含まれています。服用すると「すでに排卵が起きた」と体が勘違いする状態になり、本当の排卵が起こらなくなるのです。同時に精子が子宮に入りにくくなり、受精卵が着床しにくいような状態にすることで避妊効果を高めます。
どんなお薬?
その名のとおり小さな錠剤です。28日分(4週間分)が1シートになっています。今までどんな生理周期だった人も、ピルの服用中は28日周期になると考えてもいいでしょう。21錠タイプ(7日間飲まない日がある)と、28錠タイプ(7日分の偽薬が入ってる)がありますが、どちらも効果は同じです。当院は28錠タイプが主流です。
ピルの飲み方
一番大切なのは「飲み忘れない」ことです。毎日の習慣にしましょう。
- 01生理が始まった最初の日に服用を始めます。
- 023週間、毎日1錠ずつ同じ時間に飲みます。
- 034週目は飲むのをお休みするか、偽薬を飲みます。
- 044週目の中間あたりに生理のような出血がおこります。
- 05次のシートに移って飲み始めます。
ピルをやめればもとどおり排卵が起こるので妊娠が可能になります。逆に言えば、妊娠を望まない間はずっと服用しなくてはなりません。
当院で扱っているピル
当院で扱っている低用量ピルは、「トリキュラー」と「マーベロン」です。それぞれに、ジェネリック薬品が発売されており、前者が「ラベルフィーユ」、後者が「ファボワール」という製品名です。
料金(自由診療)
初回(カウンセリング+1シート) |
7,700円 |
2回目以降 |
非ジェネリック(1シート) |
3,300円 |
ジェネリック(1シート) |
2,640円 |
ジェネリック(3シート) |
7,700円 |
ジェネリック(5シート) |
12,650円 |
血液検査(6~12ヶ月ごと) |
2,750円 |
* 一度に5シートまで処方が可能です。ジェネリックなら、おまとめいただくとお得になります。
避妊リングという選択肢もあります
避妊リングは子宮内に2~3cmの軟らかいプラスチックの器具をいれて受精卵の着床を防ぐことにより避妊をするものです。医師が挿入しなければなりませんが、長期間(2~3年)使用できますし、ピルのような飲み忘れの心配はありません。
緊急避妊(モーニングアフターピル)
避妊に失敗してしまった(コンドームの破損·脱落)、避妊できなかったがどうしても妊娠を望まないなどの場合は、性交後72時間以内までに当院へお越しください。早ければ早い程効果があります。
仕組み
排卵の抑制と受精卵の着床を阻害することで避妊します。決して妊娠を中絶する薬ではありません。服用後3週間以内に生理のような出血があれば成功です。72時間以内に服用すれば、妊娠阻止率は約80%とされています。
*妊娠阻止率:妊娠の可能性がある時期に内服して妊娠しなかった割合
アフターピルの飲み方
「レボノルゲストレル」というホルモン剤を1回(1.5mg)服用します。「レボノルゲストレル」は、「ノルレボ」のジェネリック薬品です。
料金(自由診療)
アフターピル (カウンセリング+1回分) |
22,000円 |
生理日移動
ピルを習慣的に服用していない方も、大切なイベントの前だけピルを服用して生理日をずらすことができます。生理日は早めることも、遅らせることも可能です。生理が来るのを延長したい場合は最低7日前までにいらしてください。
料金(自由診療)
生理日変更用ピル (非常用者/1回分) |
5,500円 |